接客力を高めるに必要なのは接遇セミナーより高級ホテルの宿泊

受付の対応が課題となっている動物病院は多いと思います。
それはスタッフの対応の良し悪しによって売上は変わるからです。

受付の対応が悪くてお客様からクレームがきた。
受付の対応が悪くて新規のお客様が減った。

受付の対応が悪いとこのような問題が起こります。
実際にネットの口コミで「受付の対応が悪かった」と書かれてしまった
動物病院もあります。

これは何度もいいますが、どんなに腕の良い獣医師がいたとしても、
お客様が来なければ何もできません。
だから入口と出口の対応がとても大事です。

入口とは電話対応や来院時の受付です。
出口とはお会計です。

そのためスタッフに接遇セミナーを受講させて接客力の向上に努めている
動物病院もあります。

しかし接遇セミナーを受けても対応の悪さからお客様からクレームが
来ることもあります。

これはただ病院から言われて受けただけの状態なので、
自分自身で接遇がなぜ大事なのかということが腹落ちしていないから
だと思います。

確かに基本的な知識を知る上では接遇セミナーは有効です
しかし一番有効なのは自分自身が良いサービスを体験することです。

例えばレストランで食事したりホテルに泊まってみることで
サービスを体験することができます。

私は2009年に接客の良さで有名な某ホテルに定期的に泊まりました。
このホテルのサービスについて書かれた本がたくさん出ていて
私は読んでいました。

私は2008年に独立し、当時は1泊6万円以上する高級ホテルに泊まる
余裕はなかったのですが、本で読んでみてどんなものか見てみよう
と思い、思い切って泊まってみたのです。

ラウンジアクセスがついているクラブフロアに泊まったので
私はラウンジにずっといて読書をしたりのんびりしていました。
ラウンジでは飲食が無料ですので非日常空間でとても良い時間を過ごし
ました。

スタッフの方の対応も心地良く、これが一流の接客なのだと
初めての体験ということもあり、非常に感動したのを覚えています。

百聞は一見に如かずというのはまさにこのこと!
本で読む情報と実際に体験をしたのとでは雲泥の差がありました。

読書では、なるほどと思っても深く理解はできておらず、
体験をすることで感動したり新たな気づきを得たりする
ことができたと思います。

ラーニングピラミッドという学習モデルがあります。
ラーニングピラミッドとは、学習の定着率を示す構造をピラミッド型の図に
まとめたものです。
これは根拠がないと批判もされていますが、納得できる点もあるかと思います。

 

 

ラーニングピラミッドによると
読書した時に得られる効果は10%、体験によって得られる効果は75%

例えば接遇を例にしてみるとこのような感じでしょうか

講義:5%           接遇セミナーを受ける
読書:10%           接遇に関する本を読んで学習する
視聴覚:20%                        接遇の例を動画などで見る
デモンストレーション:30%   スタッフ同士で接遇を意識して接客の練習をする
グループ討論:50%               接遇をテーマにして話し合う
自ら体験する:75%               自分が良い接客をされる
人に教える:90%                  後輩に教える

接遇セミナーでは、講義、視聴覚、デモンストレーション、グループ討論
はやると思います。
そのうえで「自ら体験する」をやると良いですよね。

接客サービスが良いホテルに泊まるというのは、「自ら体験をする」
ので学習効果は高いですが、ただ行かせれば良いというものではなく
基本的なことを学習し、日々の仕事で実践したうえで行かせないと
効果はありません。

接遇に関する視点がない人は、体験しても何が良いのか、
どこを見ればいいのかが分からないからです。

したがってある程度仕事ができるようになったスタッフに
ご褒美として行かせるというやり方が良いのではないでしょうか。

接遇の学習にもなり、頑張っているスタッフの慰労にもなるので
一石二鳥ですね。