ある動物病院は近年良い変化の加速度が速く、
驚きの変化が現れています。
昨日伺った動物病院で、看護師長から
ついに男性獣医師を中途採用できました!
そして来年は看護師が2名きまりました!
と笑顔で報告を受けました。
現在スタッフ数は12名です。
今まで獣医師は新卒で採用してきましたが、
3年くらいすると退職するということを繰り返して
いました。
男性の獣医師はいたのですが、院長以外のスタッフは
全員女性になってしまいました。
即戦力になりそうな男性獣医師が採用できたのは大きい
ですが、私が素晴らしいと思ったのは実習に来た1名の看護師
の入社希望でした。
この実習生の方は、他の動物病院も見てから決めたいと言っていた
ようですが、ある日電話があったそうです。
いろいろ見たのですが、是非働かせて頂けないでしょうか?
と入社希望の連絡です。
どこが良かったのかということ電話口でを熱烈に話して
いたそうです。
良かった点は
スタッフの雰囲気が良かった。
入社後の育成プランがあってこの病院なら自分も成長できると思った。
ということでした。
未だかつてない入社熱意で看護師長も驚いたそうです。
入社までにアルバイトで働かせてもらえないかということで
いつといつは働けますということも連絡があったとか。
私はこの話を聞いてこんなに素晴らしいことがあるだろうか
と思いましたね。
私は実習生の立場に立って考え、どういう病院に入りたいのか?を
仮説で考えたのは入社後安心して働ける動物病院でした。
先輩にいじめられないか不安
職場の雰囲気が暗い
ここで働いていても自分は成長できなそう
このようなことを感じたら入りたいと思いませんよね。
まずは今働いてくれているスタッフが働きやすい職場に
することが重要となります。
こちらの動物病院は4年前から新入社員の教育プランを作り始め、
毎年バージョンアップをさせて現在に至ります。
最初の3ヵ月で何を教えるか、どのようになって欲しいかということを
獣医師、看護師のスタッフがそれぞれ考えていくのです。
これがあると教える側も楽です。
ある程度手順があると次は何を教えればいいかということが分かるので
行き当たりばったりにはなりません。
教育プランを立てても実際にはその通りにいかないこともあります。
しかしこうした目安があることで教える側も教わる側も双方が
何をやるかのイメージを共有できるのでお互いにやりやすいのです。
多くの動物病院はまず採用することに意識がいきますが、
入社後の教育については手薄です。
実はここが大事です。
教育プランというのはレシピです。
レシピがあるから誰が教えても同じものを作れるように
なるのです。
新人教育でありがちなのは教える人によって教える内容が違う
ということです。
だから統一基準を作るという意味でも教育プランは必要になります。
教育プランを初めて作るときは、けっこう大変かもしれませんが、
これは一度完成したら終わりではなく、毎年バージョンアップ
させていくものです。
だから最初から完全なものを目指す必要はありません。
現時点で考えられるものにすれば十分です。
凝ったものを作ろうとすると時間がかかりすぎて
途中で断念することもあります。
だから私は教育プランを初めて作成してもらう時は
仕事の棚卸をしながらシンプルに整理していくように
してもらっています。
これで十分なのです。
こうしたことに地道に取り組んできた結果として、
実習生がたくさん来てくれるようになり、看護師関しては
コンスタントに採用できるようになってきました。
次は獣医師がコンスタントに取れるようになるように
取組んでいる最中です。