採用時に必要なのは適性検査より院長の直感

院長から採用の時の面接で何か良い適性検査はないか
聞かれる時があります。

なぜ必要なのかというと、良さそうだと思って採用したものの
ちょっと問題があって困っているということでした。
周りにも悪影響を及ぼしているのでできれば辞めてもらいたい
というときもあります。

面接のときは良いと思ったんですけどね・・・
実際に働いてもらうといろいろと問題があるんですよ。

とその社員についてどのような問題があるのかを聞いていると
確かにそれは酷いなと思うこともあります。
院長からお話を伺っていて面接の段階で分かりそうな感じの人
だったり、絶対に採ってはいけなそうな人を採ってしまって
いるときがあるので、私は

面接のときはその人に対して何か問題点は感じなかったのですか?

と聞くと、

実は面接のときに違和感を感じたのですが、なかなか採用が厳しいので
採ってしまったんですよね。

と仰ることが多いです。

これは入社して間もない時期に問題がある社員と分かったときに
辞めてもらうにはどうしたらいいかと私に相談される方の
共通点の1つです。
皆さんは違和感を感じているけれど採用して失敗しているのです。

私なりに考えたのは、いろいろな人と会っていることで脳内にデータベースが
構築され、人と会った瞬間に

「この人はAさんとどこか似ている点があるからこういう感じ
 なんだろうな」

と雰囲気から感じているものがあるのだと考えていました。
つまり、直感が正しいということです。

これはあくまで私の推測に過ぎないのですが、動物病院の院長に限らず
様々な業界の社長から同様の相談を受けてほぼ面接時に違和感を感じて
いたというのは共通だったことから何か科学的根拠があるのではないかと
模索しておりました。

そしてついに見つけたのです。

大脳には大きく分けると2通りの神経細胞があります。
それは流動性脳細胞と結晶型脳細胞です。

流動型脳細胞は、論理的に考えたり、新しい課題を解決するときに機能します。
結晶型脳細胞は、瞬時に状況判断を行うときに機能します。

脳は五感を通して得た情報を、これまでの経験から蓄積されているデータと
照らし合わせ、どのような行動をとればいいかを瞬時に判断するのです。

まさにこれが面接をしているときに感じている院長の直感の正体では
ないでしょうか。

例えばサッカーで攻めているとき、ドリブルしながらパスをするのかシュートをするのか
自分でドリブルで突破するのかといった選択肢から最適なものを瞬時に選んでいます。
これはフィールドを見た瞬間に結晶型脳細胞が働いているからできるのです。

良いプレイヤーは練習で膨大なデータを蓄積し、実戦では結晶型脳細胞が
鋭く機能しているから活躍できるのです。

獣医師の先生や看護師の方は日々の診察でいろいろな犬、猫、オーナー様
を見ているので診察で結晶型細胞が機能しているのではないでしょうか。

面接で良い人材かどうかを見抜くには、日頃からいろいろな人を見る
ことが大事だということです。
別に仕事だけではなく、プライベートでもかまいません。

この人はどんな人なのか?

と人に関心を持つことを無意識にできるようになると、
人を見る目がついてくるのではないでしょうか。