準備なき「なんとなく面接」では良い人材は採れない

動物病院業界では採用に苦労している院長は多いです。

私がお付き合いさせて頂いている動物病院ではなかなか実習生が
来なかったり、面接にまで発展せず採用に苦労していましたが
徐々に採用力が高まって採れるようになってきています。

どのようなことをやっているのかを聞いてみても特別なことを
やっているわけではありません。

大学の就職説明会に参加したり、専門学校に求人を出すということを
愚直に行っています。そして実習に来た学生を採用するという非常に
シンプルです。HPを見て応募してくるということもあります。

重要なのは何度も言うように、病院の雰囲気ですが、採用のクロージングとなる
面接をどのようにするかで採用が決まるだけでなく、入社後の働く姿勢にまで
影響を及ぼすので面接はとても重要です。

今回は面接で伝えることを中心に伝えていきます。
面接で伝えることで大事なのは以下の7つのことです。

・今後どのような病院にしていきたいのか
・病院の理念(なぜ今の仕事をやっているのか?)
・どのような人材を求めているか
・病院のウリ
・ここで働くとどのように成長できるか
・入社後の育成プラン
・病院の課題

6つはプラスの内容で1つはマイナスの内容です。

よくありがちなのは、面接で良いことばかり伝えてしまい
悪い面は話さないことです。

人手不足だからなんとしても入ってもらいたいと思うがゆえに
悪いことはふせて良いことしか言わないのですが、
これをやってしまうと面接時に聞いた話と入社してからの実態
とのギャップが生まれます。そうすると

「面接で言っていた話と違うじゃないか!」

とスタッフは不信感を抱くようになります。

面接では良いことばかり話すのではなく、予め病院の問題点も
話しておいた方がミスマッチも防げるのです。

とはいえ問題点ばかり伝えると不安になってしまいますのでさじ加減は
必要です。

基本的に良いことばかり伝えると仕事に対する認識が甘い人が
入ってくることが多くなると思います。

福利厚生が良い、給料が高い、早く帰れそう

こうしたことを目当てに入ってくる人は、仕事がキツイと
嫌になって辞める可能性が高いです。

面接の流れとしては良い点を話してそれから問題点も話すという感じです。
問題のない職場はありません。
欠点がなく、良いところばかり言われる方が逆に怪しいです。

問題はあるけれど、改善するために取組んでいるという
風に伝えればいいのです。

ある動物病院では面接時に病院の良い点ばかり伝えて悪い点は言いませんでした。
結果はどうなったかというと、短期間で辞める人が増えたそうです。

私は良い点だけでなく、実情も話した方が良いのではないかと伝えて
面接で話す内容を変えてもらったところミスマッチは減ってきたそうです。

面接は差し障りのないおしゃべりや行き当たりばったりの話をするのではなく、
事前に話すことを準備しておくことが大事です。

私が支援させて頂いている動物病院では毎年12月ごろから来年入社の
新人の教育プランをブラッシュアップします。
直接採用には直結することではありませんが、新人の教育について
院内で共通認識を持ち、人を育てるという意識が強い組織になっている
から良い組織風土になっているのです。
それが実習生にも伝わり、入りたいと思える病院になっているということです。

だから採用は面接の前から始まっていて、こうした日々の取り組みがあってこそ
良い人材が採れるようになってくるのです。