動物病院の院長が飛躍するために超えなければならない壁

動物病院の院長の悩みはズバリ人の問題です。
医療に関する技術や知識は大学で学び、
専門性を高めるための努力を怠らずに仕事に専念してきたからこそ
院長という地位を築くに至ったのだと思います。
私が今までお会いした院長の方々も勉強熱心の方ばかりでした。

しかしながら病院を経営するということは、
医療の専門性だけでは成り立ちません。
ここに動物病院の院長の悩みが発生する本質的な課題があります。

それは動物病院の院長は今まで組織人事に関することは
ほとんど学んでこなかったということです。
これは動物病院の院長に限らず、あらゆる業種の企業経営者も同様です。

経営者となればまず意識することは売上を上げることであり、
そのための労力は惜しみません。
キレイごとを抜きにしてお金がなければ事業の存続はできないからです。

だから念願の開業を果たした院長は我武者羅に仕事をします。
そして飼い主様の数が増えてくるとスタッフを増やし始めます。
自分自身も診療に時間を割くことが多く、
余裕がないことからスタッフのことにまで気が行き届かない
という状況に陥るケースが多いです。

「そのくらい自分で考えてできないのか?」
「言われなくてもそれくらいやるのが当たり前だろう」
「自分の時は細かく教えてもらわなかったし、背中を見て仕事を覚えるのが当たり前」

ということを内心で思ったり、実際にスタッフに言います。
内心では思っていて言わなかったとしても態度に出ます。
すると辞めるスタッフや言うことを聞かないスタッフが出てくるようになります。
ただでさえ忙しいのに、このような問題が起きると余計にストレスが溜まります。
ストレスが溜まり、イライラすることでスタッフへのアタリが強くなり、
状況が悪化するという悪いスパイラルに陥ることも少なくありません。

「なんとかしなければならない。でもどうすればいいのか分からない」

というのが組織や人材の問題なのです。
医療の技術は知識を学んで経験を積み努力すれば、
自身の技量を高めることはできると思います。
しかしながら組織や人材については知識を学んで実践しようとしても
なかなか思った通りにいきません。

売上がある程度良い状態をキープできていれば、
スタッフに関する問題は放置されます。
やっても効果が現れないことを続けてやることは、
忙しい院長にとっては至難の業です。

スタッフが辞める、スタッフが育たない、スタッフが問題を起こす

こうしたヒトの問題はほぼ100%の動物病院の院長が経験していますが、
ヒトに関する問題をクリアした院長が次のステージに進んでいる感じはします。

聞いた話ではありますが、売上は良かったけれど、
スタッフが全員辞めてしまって病院が回らなくなった
という恐ろしい事態に陥った動物病院もあります。

営業手法やマーケティングによって集患に成功して売上を伸ばしていても、
ヒトの問題で足もとをすくわれてしまうということは起こりえます。
組織や人事といった内部体制が整わないうちに規模を拡大するとこうしたことは起こりがちです。

私が支援している動物病院の院長は早い段階組織と人材の課題に
着手をしていったため、スタッフの定着率は良くなり、
病院が安定的に成長して業績を伸ばしています。

どの段階から着手していたかを具体的に言うと、
スタッフ数が10名未満の時から取り組んでいます。
スタッフ数が少ない時から病院体制づくりがしっかりとできていると、
人数を増やしても大きな問題は起こらず、病院は少しずつ成長していき、
気づいたら社員数が2倍以上に増えていたということは珍しくありません。

自分の理想とする病院を実現したい、ワンランク上の動物病院を目指したい、
規模を拡大していきたいと考えている前向きな院長は組織と人材の課題という壁を
乗り越えていかなければならないのです。
乗り越えていった先には素晴らしい景色が待っています!

 

 

 

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