第4回 病院を発展させるために必要な危機意識の醸成

 動物病院にはそのステージにあった課題があります。
開業間もない時は集客だと思います。
だんだんお客様が増えてきてスタッフを少しずつ採用しはじめたら、新たな課題が出てきます。例えばスタッフの離職率や労働問題の発生などです。
そして少ない人数で何とか業務をこなさなければなりません。
スタッフの定着率が安定し人数が増えてきたら今度は人数が増えた時の別の問題が発生します。

 スタッフ数が少ない時は、人手が足りないということで労働時間が長くなりがちでなんとかして業務を効率的にこなすことが課題となります。
そしてスタッフが増えるとどうなるか?

 例えばスタッフが6人から15人に増えたとします。スタッフ数が2倍以上に増えたのですから各自の負担は減るはずですし、サービスの質の向上も図ることができるはずです。
しかし逆に非効率になったり、サービスが劣化するといった事態に陥ることがあります。
それは人数が増えたことによってコミュニケーション不全に陥ることがあるからです。

 スタッフ数が少ない時は、必然的にコミュニケーションを密に取りますし、そうしなければ業務がまわりません。人数が増えると指示が行きわたらなくなったり、報連相がしっかりとできていないということが起こりやすくなります。
そして今まで起こり得なかった初歩的なミスも起こるようになります。
人数が増えたことによって、誰かがやるだろうという気の緩みが蔓延するからです。
このように病院が成長していくと解決していかなければならない課題は変わるのです。

 業績の良い会社は、今の状況に甘んずることなく常に危機意識を持ってサービスの向上に取り組んでいます。だから社内にも良い意味での緊張感があります。
一方で業績の悪い会社は、危機的状況にもかかわらずのんびりとした空気が流れていて社内に緊張感があるどころかだらしない感じになっています。

私がお伝えしたいのは次の2つです。

  • 病院のステージが変われば課題は変わり、新たな問題が発生する。
  • 院長はスタッフに危機意識を醸成して、サービスの質を向上させていくこと。

 

病院経営に終わりはなく、常に新たな問題が現れます。
それはまるでロールプレイングゲームのようです。
主人公は物語を先に進めるためには敵を倒さなければなりません。
レベルを上げて敵を倒すとまた次の敵が現れます。

例えばある動物病院は、スタッフの離職率の高さが院長の悩みでした。
そしてスタッフの定着率が良くなり、スタッフ数が増えてくると次はリーダーの育成とスタッフを自律型人材に育てるということが課題になってきました。
多くの病院でも同じようなことが起こります。

院長は次々と現れるこうした課題に対してマイナスの感情を抱くのではなく、

これをクリアすれば次のステージに進められる!

と前向きに考えていただければと思っています。
そして病院の課題は院長1人では解決することはできません。
組織として解決できる対応力を身につけることが大事です。

私は病院の課題は自分達で解決できるように支援しています。
有名な話に

お腹が空いた人に魚をあげるのではなく、魚の釣り方を教える。

ということがあります。
魚をあげれば一時的には飢えをしのぐことができます。
でも食べてしまったらまたお腹が空きます。
誰かから魚をもらわなければこの状況から脱却することはできません。
魚の釣り方を教えれば、自分の力で生きていくことができますね。

院長はスタッフに対応力を身につけさせ、危機意識を醸成させていくことを念頭において病院経営に取り組んでいくことが大事です。
これができてくると安定的に病院は成長していきます。

 

 

 

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